ジュニアアスリートのエネルギー摂取
1日に摂取したエネルギー量からトレーニングなどによって消費されたエネルギー量を引いた余剰分のエネルギーをEAと呼びます。
このEAが低いと、骨密度が低下したり、筋肉量の減少、無月経を起こすことが知られています。そればかりか、神経伝達速度や筋肉の反応スピードも落ちるので、スポーツパフォーマンスが下がる傾向があることも解ってきました。特に成長期にあるジュニアアスリートは、成長のために使われるエネルギーも計算しておく必要があります。
エネルギー摂取に関する研究
ジュニアアスリートのエネルギー摂取に関する研究が行われています。
全国大会出場経験のある競泳選手(男子3名、女子5名)平均年齢15.5歳、平均身長164.8cm、平均体重55.7kgを対象に、3日間の食事とトレーニング内容をデータとしている。2日はトレーニングを行い、1日は行わななかった。
この研究の結果、一般的な成人よりトレーニングを行った日も、行わない日もエネルギー消費量が多いことが実験でわかりました。
また、トレーニングを行った日のエネルギー消費は、少し増加する程度で、ジュニアアスリートは常時、多くのエネルギー消費をしているというデータが示されています。
実験に参加した半数以上のジュニアアスリートは、エネルギーが不足しており、食事で摂取しているエネルギーを、トレーニングなどで消費するエネルギーが超えていることがわかりました。特に不足しているのは、「たんぱく質」と「炭水化物」でした。
※研究論文(PDF)
エネルギー摂取時間の問題
この研究では触れられていませんが、学校給食を摂り、午後の授業、その後でトレーニングとなる事が多く、エネルギー摂取からの時間経過を計算すると、トレーニング中に空腹感を感じていると思われます。
トレーニング前に、「パンと牛乳」や栄養補給の「ゼリー」などを摂る必要があります。
またトレーニング後、夕食までの時間も注意すべき点です。長時間空腹状態が続くと、体内では血糖値を上げようとするホルモンが働き始めて、身体を安定させようとします。
この血糖値安定ホルモンが起動している状態で、大盛りの夕食を食べると、血糖値が急激上がってしまいます。食事とホルモンの両方が、せっせと血糖値を上げようとガンバルからです。
このように血糖値が急上昇して、急激に下がる状態を、「グルコーススパイク」と呼びます。まるでジェットコースターのように血糖値が乱高下することで、ホルモンが乱れやすくなり体調不安につながる可能性があるとされています。
血糖値の急な上昇を抑える
グルコーススパイクを起こさないようにするには、低GI食品を上手に活用しながら、空腹時間をできるだけ短くし、食事の間をつなぐ“間食”を取るのがポイントです。GIとは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、糖の吸収度合いを表しています。数値が高いほど、糖の吸収が早く、血糖値の急上昇を招きます。
低GI食品のおやつの中でもオススメしたい大豆加工食品
大豆を原材料としたクッキーなど焼き菓子がイイと言われています。それは、大豆焼き菓子に含まれる食物繊維や脂質、たんぱく質などの食品成分が、糖質の吸収を穏やかにする働きをするからです。
大豆には植物性タンパク質、脂質をはじめビタミン、ミネラル、食物繊維など健康を維持する成分がギッシリ。 昔から畑の肉と言われるほど栄養価の高い食品です。
| 高GI食品 (GI値70以上) |
じゃがいも(96)、餠(82)、精白米(75)、おかゆ(88)、食パン(89)、フランスパン(80) |
| 中GI食品 (GI値56~69) |
玄米(66)、クロワッサン(67)、パスタ(58)、とうもろこし(62)、うどん(62)、そば(59) |
| 低GI食品 (GI値55以下) |
ライ麦パン(50)、全粒ライ麦パン(62)、オールブラン(55)、さつま芋(44) |
